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食器洗浄機の基礎的なこと

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食器洗浄機の基礎的なこと

食器洗浄機に関しては、数回、簡単な解説をしましたが、
基礎的な点での話が抜けていましたので、
もう少し書いてみることにします。

まず、洗浄機に適する湯温ですが、洗浄、すすぎで、
それぞれ適する温度があります。
一般的には、洗浄の湯温は60℃、
すすぎの湯温は、80℃が適していると言われています。

次に洗剤ですが、多く使われているのはアルカリ性の、
無泡の洗剤が使われています。

乾燥もしますが、家庭用の洗浄機で使われるヒーターを
使った乾燥方式は、業務用では使われていません。

大量にスピーディーに処理するための工夫がされています。

これらについて、簡単に理由や仕組みを考えます。


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《注意》
器具の取扱い、メンテナンス、修理に関しては自己責任で行ってください。
この記事は、一般的な例に基づいて記述していますが、
個々の機械に関するものではありません。
記事の利用でいかなる不利益があっても、管理者は一切の責任を負いません。



まず、湯の温度から考えてみましょう。
洗浄側の60℃ですが、これは洗剤の特性にも関係があります。
通常の食器洗浄機用洗剤の場合は、
汚れに反応しやすい温度が55℃~60℃ぐらいです。
手洗いをする場合も、水で落ちにくい汚れが、
湯では落ちやすい場合がありますが、これと同じです。
洗浄に使う湯の温度は、高すぎると
汚れ落ちの悪いものもあります。
玉子などを使った料理の皿の汚れの場合は、
温度が高すぎると、逆に 皿にこびりつきやすくなります。
そのため、洗浄側の湯温は、一般に60℃ぐらいとされています。
ほとんどの洗浄機には、洗浄タンクの温度計がついています。
あまりに低い場合や、高すぎる場合は、
サーモスタットやヒーターが故障している場合もあります。

次に、すすぎの湯温ですが、これは乾燥にも影響します。
業務用の食器洗浄機は、乾燥はヒーターなどで行うのではなく、
余熱で食器を乾燥させます。
これは、すすぎの湯温が高くないと、余熱がでませんので、
食器は乾燥できなくなってしまいます。
洗浄・すすぎが終わって、ラックを洗浄機から出すと、
すすぎの温度が80℃付近にあるのなら、
食器は余熱で乾燥をはじめます。

すすぎの湯温については、菌の活動を押さえる意味もあります。
80℃以上になるところでは、菌が活動しにくいのは、
食器消毒保管庫などを、お使いでしたらわかると思います。
ただし、洗浄機が高温の湯を食器にかける時間は、
ドアタイプで、10秒前後。コンベアーでしたら、
仕上げすすぎは、数秒で通りすぎてしまいます。
すすぎの本来の目的は、洗剤分を洗い流すことですので、
完全な殺菌や、乾燥になるわけではありません。
そのあたりには、注意してください。

ついでに言いますと、業務用食器洗浄機の、
洗浄用の湯は、洗浄タンクの中の湯が循環されて使われています。
すすぎのたびに、新しい湯が入っていきますが、
汚れでも、軽いものは、オーバーフローから
流れ出ていきますが、重いものは流れでにくく、
洗浄タンクのフィルターの上にたまっていきます。
フィルターが汚れて、洗浄タンクの湯の循環が悪くなると、
洗浄力も落ちますし、ポンプを汚すことにもつながります。
洗浄タンクの湯の汚れを感じたら、早めに一度排水して、
洗浄したほうが、汚れ落ちにも、洗浄機にもいいです。

洗剤に関しては、多くのメーカーから、いろいろな種類の
洗剤が発売されています。
「劇物」に分類されるものと、「非劇物」に分類されるものがあります。
これは、洗剤自体に使われるアルカリ濃度の違いなどで、
分類されているらしいいのですが、私も詳しいことは知りません。
海外で使われている洗剤の多くが、国内では、劇物に分類される
洗剤であることを考え合わせても、
劇物だから危険というものでは ありません。
洗剤を販売する側にとっては、劇物指定のものを扱う場合は、
保健所への届け出が必要であったり、ストックする場合には、
危険物取扱者の資格が必要であったりします。
そのため、劇物指定の洗剤よりは、非劇物の洗剤のほうが、
販売をする側にとっては、簡単で手軽です。
簡単に考えれば、売りやすくするために作られたような気もします。
汚れ落ちに関して言えば、一般的には、
アルカリ濃度が高いほうが、汚れ落ちはよくなっています。
洗浄機で洗剤を利用する上で、最も怖いのは、
食器への洗剤の残留ではないでしょうか。
汚れ落ちが悪い場合に、洗剤の濃度を安易に上げる
業者をよく見かけますが、洗剤の残留については、
あまり確認していない業者がいるのも事実です。
残留に関しては、フェノールという液体を使えば、
簡単にわかります。
洗剤選びに関しては、慎重にしてほしいものです。
洗剤に関して、熱心な業者は洗浄機に関しても、
多くの知識を持っています。
洗浄機を知らなければ、洗剤について詳しくはなれません。

洗浄機の洗剤に関しては、食器の汚れを落とすと同時に、
洗浄機内では、洗浄ポンプの中も通りますし、
同時に洗浄タンクの汚れも落としています。
洗浄機のためにも、いい洗剤を使ってほしいものです。

洗浄機の汚れ落ちが悪い場合には、水が影響している場合もあります。
水によって汚れ落ちが悪い場合は、純粋器の使用などが効果的です。
ガラスのコップなどに、白いもやもやとした汚れが残る場合があります。
ウォータースポットなどと言われますが、
これは、水質によるスケールの場合があったり、
スポンジなどでコップを洗った小傷に
洗剤分が残る場合であったりします。
また、すすぎの湯温が高いために、この汚れが目立つこともあります。
これに関しては、洗剤の種類を考える、純粋器を使用する、
すすぎ湯温を下げるなどが考えられる対策ですが、
どれも完全とは言い難いところがあります。
コップのみを洗うわけではありませんし。
目立って困る場合は、週に1度ぐらい、
コップを漂白剤に漬け込むのが、簡単かもしれません。
漂白できた後は、そのまま洗浄機にかけて洗ってやればOKです。

ついでですが、地下水の利用は、スケールの発生などもあり、
洗浄機やブースターに悪影響を与えやすくなります。
最後に、全体的な注意ですが、
洗浄機は食器の汚れ落としに関して、万能とまではいきません。
どうしても、落ちにくい汚れもあります。
油汚れに関しては、わりと強いのですが、
こびりついた汚れや、口紅の色などは落ちにくいものです。
洗濯機で洗濯する場合と同じように、
ひどい汚れは、あらかじめ落としてやらないと、
どうしても汚れが残ってしまいます。

下洗い用に中性洗剤を使って、そのまま洗浄機に食器を入れると、
洗浄タンクの中で泡だってしまって、汚れ落ちが悪くなります。
予備洗い用の洗剤も市販されていますので、
洗浄機の中が泡立つようなら、予備洗い用の洗剤を使いましょう。
洗浄タンクの中が泡立つ場合は、
リンスが入りすぎていることも、考えられます。
リンスは、乾燥には有利ですが、洗浄タンクに多く入ると泡立ちます。
中性洗剤を使っていないのに洗浄タンクが泡立つ場合は、
リンスの濃度を確認したほうがいいでしょう。

洗浄機自体も、メーカー・機種によって、
いろいろな特性を持っています。
かなり開発されつくした感もありますが、
まだまだ発展しているメーカーもあります。
使う方にとっては、多くの機種から、どれを選ぶかが、
難しくなってくるかもしれません。

洗浄機について、思いつくままに書いてみました。
汚れ落ちに関して言えば、機械自体が原因のこともありますが、
使い方や、洗剤、湯温などによる影響も大きいものです。
基礎的なことを知っていると、使う上でも、
無駄を減らせますし、機械の特性も生かせることでしょう。

テーマ : 業務用厨房
ジャンル : 就職・お仕事

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