簡単に電気負荷(ヒーター)の抵抗値
簡単に電気負荷(ヒーター)の抵抗値
電熱器具の ほとんどは、ヒーターを利用して過熱を行っています。
ヒーターの電気的な計算は、電流値や、
抵抗、電圧の基礎になるものです。
分数などが出てきますので、とっつきにくい面もありますが、
基礎的なことだけは覚えておきましょう。
修理や、搬入に携わる方への説明となります。
厨房で使われる用語を50音順に並べています。
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厨房用語
《注意》
器具の取扱い、メンテナンス、修理に関しては自己責任で行ってください。
この記事は、一般的な例に基づいて記述していますが、
個々の機械に関するものではありません。
記事の利用でいかなる不利益があっても、管理者は一切の責任を負いません。
電熱機器でも、洗浄保管機器でも、ヒーターなどは、よく使われます。
基礎的なことを押さえておかないと、
コンセントや配線の容量不足による事故がおきる場合もあります。
修理に関わる人にとっては、
不具合箇所を見つける上で役立ちますので、
しっかり覚えておきましょう。
オームの法則
学生時代に習ったはずですが、割と覚えていません。
これだけは必要なのですが、
「オームの法則」からいきなり入ると、拒否反応を示す方もいるかもしれないので、
写真で確認しながら、計算をはじめましょう。

これは、交流(AC)単相100V 40Wのベルトヒーターです。
このヒーターの抵抗値は、いくらを示せば、
ヒーターが正常な状態なのか、確認してみましょう。

上記が、オームの法則です。
ヒーターに書かれてあるとおり、電圧 V(V)=100です。
上に書かれてあるとおり、あとは、電流 I(A)がわかれば、
式への数値の代入で、抵抗 R(Ω)が計算できるはずです。
ヒーターには、電力 P(W)が書かれています。
これは、機械の消費電力などとして、
機械の銘板などにも書かれていますので、
ここから電流P(W)が計算できれば、
抵抗値は、すぐに、計算できるようになります。
説明のために、少しややこしいことを書きます。
電力
電力とは、回路に供給または消費される単位時間(1秒間)
あたに発生する熱量をいう。
抵抗R(Ω)の回路に電圧V(V)を加えたとき、
電流I(A)が流れたとすると、電力P(W)は、

このような公式となります。
先ほどの写真のヒーターの場合でしたら、
電力(W)と、電圧がわかっていますので、
そのまま代入すれば、抵抗値は計算できます。
上記の公式より、
抵抗R(Ω)=電圧(V)の2乗/電力(P)
電圧は、100Vでしたので、100×100を、
電力の40Wで割れば、抵抗値が算出されます。
(100×100)÷40=250
計算では、このヒーターの抵抗値は、250Ωとなりました。

テスターで測定してみました。
ほぼ、250Ωの測定値です。
ついでに、このヒーターに流れる電流値も計算しましょう。
オームの法則より、電流I(A)=電圧(V)÷抵抗(Ω)
電流I=電圧100(V)÷250(Ω)=0.4(A)

こちらも、100Vの電圧をヒーターにかけて実測しました。
テスターの数値は、0.39Aですので、
ほぼ、0.4Aで間違っていません。
機械に貼りつけてある銘板には、消費電力と、
電圧が書かれている場合が、ほとんどです。
ヒーターを数本使っているものは、
合成抵抗を割り出す必要がありますが、
1本のヒーターを使用している機器でしたら、
銘板から、ほとんどのことが割り出せます。
例えば、単相100V 消費電力1.2kwのウォーマーの場合。
電圧は、100Vです。
電流値は、 P(w)=電圧(V)×電流(A)から計算して、
電流(A)=電力(W)÷電圧(V)です。
=1200(w)÷100(V)=12(A)です。
ヒーター以外に大きな電気を使っているものがなければ、
約12Aが流れるはずです。
次にヒーターの抵抗値は、
R=100(V)の2乗÷1200=8.3(Ω)
または、R=V/I から、
R=100÷12=8.3(Ω)です。
単相200Vの場合も基本的に同じ計算です。
1本のヒーターで、ヒーターの抵抗値が、5(Ω)の場合。
単相200Vの電圧がかかりますので、
電流値は、オームの法則より、
電流(A)=電圧(V)÷抵抗(Ω)
=200(V)÷5(Ω)=40(A)です。
単相200V、電力1kwのヒーターの抵抗値を求めてみましょう。
R=電圧200(V)の2乗÷電力1000(W)より、
R=40(Ω)になります。
電流=電圧200(V)/抵抗40(Ω)
=5(A) です。
単相の1本のヒーターを利用しているものに関しては、
以上の計算だけを覚えておけば、
測定は大丈夫です。
3相の場合と、合成抵抗に関しては、
機会があれば、また説明します。
最後に電力と抵抗、電流について
単相100Vと、200Vの表を作ってみました。
単相では、あまり大きな電力の使われるものはありませんので、
近似値は、すぐに出ると思います。
PDAや、小型のノートパソコンがあれば、
計算式をエクセルなどに入れておけば、
実測値を入力するだけで、計算ができますから便利です。

単相で、一つの負荷で力率100%の場合です。